【第7節】RAGE Shadowverce Pro League 20-21 season 全デッキ解説
プロリーグオタクやってる生ビールと申します。
RSPL第7節で使用されたデッキについて書きます。
って言っても流行りのデッキはあまり解説する必要無さそうなので、プロリーグで活躍しそうかどうかと、全デッキ使ったので感想等を中心にまとめようと思います。
試合の振り返りは後日追記します。
【第17弾カードパックページ更新】
— Shadowverse公式アカウント (@shadowverse_jp) 2020年8月19日
8月20日リリース予定の第17弾アディショナルカードの全カード情報を掲載いたしました。ぜひご覧ください!https://t.co/wI9HosHyfw#シャドウバース #運命の神々
#シャドウバース
— Shadowverse公式アカウント (@shadowverse_jp) 2020年8月18日
8月20日のメンテナンス時に「地を裂く異形」「幽暗の墓守」「ロキ」のカード能力を変更いたします。
詳細は公式サイトをご覧ください。https://t.co/dJmkoNFTC8 pic.twitter.com/WUPLyP53ZL
8/20のアップデートにより、アディショナルカード収録、ナーフが行われました。環境の中心であった2デッキの弱体化、強カードの追加により、環境も大きく変わりました。
デッキ登録は収録日の8/22の前日、つまり8/21であるため、プロ選手はたった1日で、この激動の新環境の中で5デッキを探す事になります。
※注意
- ほぼ敬称略
- ただのライトプレーヤーなんでプレイ自信無いです。なので人の意見とか勝手に持ち出してますごめんなさい。
- クラスはE、R、W、D、Nc、V、B、Nm表記。
- 有利不利の認識はあくまで筆者の考えと、今回のリストによるものとなっているため、一般的な考えとは異なる場合があります。
目次
コントロールE
地を裂く異形がナーフされてしまったため、エルフの選択肢は実質コントロールEのみとなっています。AXIZ、NTT-WEST リバレント、福岡ソフトバンクホークスゲーミング、横浜F・マリノスの4チームが採用しました。新弾、アディショナルにより様々なパーツが増えた事から、4チームとも異なるリストになっています。
どのリストも共通して、回復カードに弱いディスカードD、背徳V、コントロールVには微有利、ターン制限のある専門店Wには不利になっています。アディショナル前は異形Eに隠れてあまり活躍出来ませんでしたが、今回からはそこそこ役割があるため、5デッキ目の選択肢としてはありより。
豪風のリノセウスによるやや早めのフィニッシュが見込める、AXIZ、NTT-WEST リバレントのデッキが感触良かったです。特にNTT-WEST リバレントのリストはアクセラレートカードで柔軟に動けて扱いやすかった。ゼウス型は耐えられるけど、フィニッシュまで遠いのが微妙。
AXIZ
WUPのコントロールEに、新カードである森林の狼、フォレストダーク・レオネルを入れたリスト。プレイ回数ギミック関連のカードが多く搭載されており、従来の感覚でプレイできるのが強み。慣れない新デッキよりも、慣れた旧デッキを信頼しているところが何ともAXIZらしい。
ワンダーコックの代わりに追い風の妖精を3枚採用しているため、豪風のリノセウスにアクセスしやすくなっています。上振れれば早期決着できるため、不利対面を覆しやすい。豪風のリノセウスを走らせながら守護突破もしやすいのもポイント。
処理札が少ない事と、豪風のリノセウスに進化権を消費しがちな事から、他のチームのコントロールEに比べると継戦能力は低め。
有利デッキは先述の通り。また、序盤から中盤の盤面処理は、スペル除去に頼っているため、進化Rの戦争商人・アルヤスカにかなり弱くなっています。
NTT-WEST リバレント
新弾で追加されたアクセラレート持ち、アクセラレートによって効果が発動するカードをふんだんに搭載したコントロールE。前節で使用していたリストに永久なる輝き・エリンを挿入したものになっています。
AXIZの構築とは異なり、フォロワーのトレードによる盤面処理が主体となっています。特にマドロスエルフの処理能力はずば抜けているため、1試合に1枚は使いたい。処理用フォロワーをバウンスで使い回せば、かなり長く戦えます。
処理にコストを使ってしまうため、若干豪風のリノセウスのカウントが稼ぎづらい。
福岡ソフトバンクホークスゲーミング
至高神・ゼウスをフィニッシャーにした、進化要素強めのコントロールE。前半の処理は森を彩る者・エルフクイーンに頼りきりなので、引けるかどうかはかなり重要。後半になれば幻想の妖精竜、導きの巫女・コッコロ、フェアリーアサルトで長いゲームが見込めます。
回帰する抱擁・ラティカで手札に加える大いなる回帰により、エターナルホエールの効果を消す事ができるため、ディスカードDにはやはり有利。
デッキの性質上、10ターン以降もゲームするので、ターン制限のあるデッキにはかなり不利になっています。進化R相手は《世界》・ゼルガネイア君臨する猛虎で倒されないように、幻想の妖精竜をしっかり温存しておく必要があります。
横浜F・マリノス
同じく至高神・ゼウスをフィニッシャーにした進化コントロールE。こちらはアクセラレート系カードが軸になっています。他チームのコントロールEに比べると回復カードが多いのが特徴。処理カードも豊富なため、式神Wまでなら安心して耐える事ができます。基本的には永久なる輝き・エリンを使い回して、回復しながら進化処理する戦い方になります。
しかし1ターンで複数回進化を稼げるカードが、マドロスエルフしかないので、至高神・ゼウスのフィニッシュはかなり遅れる事になります。ドローソースも多くないので、先にリソース切れにならないように気を付けたい。幻想の妖精竜も無いので、進化Rはかなり不利。
進化R
戦争商人・アルヤスカの登場により、全チーム採用するほど強化されました。選択枠の幅がとても広いため、当然全チーム異なるリストになっています。採用カードによってゲームの早さ、有利不利が分かれている感じ。 先述の通り調整期間はたった1日なので、40枚に収めるの本当に大変だったと思います。
手軽に進化を稼げて盤面を作れる、無敗の剣聖・カゲミツ、オネストシーフ、連携を稼ぎつつ後半に爆発的な盤面を作りだすシールドフォーメーション、デッキの回転の中心である猛然たる騎士・ゲルト、白銀の閃き・エミリアは全チーム3枚ずつ採用しています。
またアディショナルにより新たに追加された戦争商人・アルヤスカも3枚採用されています。指揮官サーチの妨げにはなりますが、それ以上のパフォーマンスを発揮するほどのパワーカードです。
フィニッシュに関与する《世界》・ゼルガネイア、君臨する猛虎は最低1枚、さらに進化が稼げるようになってより使いやすくなった堕落の決意は最低2枚採用されていました。
指揮官が増えた事で価値が高くなった優雅なもてなし、後攻4ターン目で強いレヴィオンの魔獣使いはほとんどのチームが採用している事から、ほぼ確定枠か。無敗の剣聖・カゲミツの盤面をさらに作れる分身の術も多くのチームが採用しています。
ペインレスサムライは後述のAFNmに非常に強い上、進化権を使わずに進化を稼げる貴重なカードですが、少し採用は分かれています。
その他ざっくりですが、前寄りのデッキは、武器商人・エルネスタ、オースレスナイト、信念の剣閃を、後ろ寄りのデッキは《世界》・ゼルガネイア、煌剣の戦士・アンリエットの枚数が多い印象があります。
動乱商人・イルミスナ、流麗なる槍術士、貴族の舞踏は便利なカード枠。特に貴族の舞踏は分身の術、黄金の靴と絡めて、無敗の剣聖・カゲミツが強く使えてよかったです。
8デッキ使ってみましたが、分身の術が2枚、煌剣の戦士・アンリエットが3枚入っていて後半強い福岡ソフトバンクホークスゲーミングのリストが使いやすかったです。前寄りのデッキに関しては、前半の小さい横並びが試合に大きく関与しなかったり、後半強い盤面を作れなかったり、フィニッシュが信念の剣閃トップお祈りになってしまったりで、少し扱いづらかったです。
式神W、ネクロマンサーに不利。ネクロマンサーはナーフで数を減らしているため、比較的出しやすいデッキになっています。
式神W
アディショナル前は日の目を浴びる事が無かった式神Wでしたが、決意の預言者・ルーニィの追加、ナーフによる不利対面の消滅によって一気にTier上位まで上り詰めました。式神パーツ、強いスペルは限られているので選択枠は進化Rに比べてグッと狭まります。
自発的に盤面を開けながら処理できる両雄激突、昔からスペル軸を支えてきたウィンドブラスト、プレイに幅が生まれるマナリアの偉大なる研究、爆発的なドローと展開を助けるインフィニットウィッチ・ドロシーが0~3枚で分かれています。エクステンドマジック、鬼呼びの導師は2~3枚で割れている感じ。
ざっくりインフィニットウィッチ・ドロシーの採用不採用でデッキの性質が分かれています。回った時の強さと、回しやすさで分かれていそうです。
全デッキ使いましたが、強さの違いはあまり感じませんでした。
式神W自体はほとんどのデッキに有利になっています。専門店W、背徳Vには不利ですが、式神Wを自分で採用しているという事は、専門店Wは想定していなさそう。
専門店W
前節まで多くの場面で活躍してきましたが、今節はGxG、横浜F・マリノスのみの採用となりました。
一見式神Wのブームに乗り遅れているように見えますが、異形Eがナーフされ、生き残ったデッキにもそこそこ戦え、そもそも式神Wに強い事もあり、立ち位置はかなり良好。ただ先攻を取られて展開され続けたり、下振れでパーツが揃わなかったりで、実力関係なく負けやすいデッキでもあります。一試合の勝ち負けよりも、デッキ選択での抑止力として活躍しそうです。
リストは2チームとも若干異なりますが、デッキの性質は以前と全く変わりません。
ディスカードD
デッキ40枚で削り切るディスカードDでしたが、エターナルホエールの追加によりデッキの性質が少し変わりました。
プロリーグでは大きく2種類に分けられていました。
- 従来のデッキにエターナルホエールを1枚採用したリスト。ダークジェイルドラゴンが3枚採用されており、早めに顔が削れる。ウィッチに若干強い。守護に弱い。
- 日輪のドラゴンを3枚採用し、エターナルホエール破壊後の動きを意識したリスト。地上戦デッキには強くなっていますが、ダークジェイルドラゴンの枚数が減っているので、早いゲームがしづらい。
環境に守護、回復が結構多いので、後者のタイプの方が良さそう。背徳Vのバーンに日輪のドラゴンの回復効果が強かったりするのも追い風になっています。
全チームが採用するほどの人気デッキですが、デッキ選択では動きづらそうに感じます。アディショナル前では葬送Nc冥府Nc、異形Eに強かった秘術Wに対して役割がありましたが、その2デッキがほぼ採用されなくなったため、役割が減ってしまいました。
アップデート直後はエターナルホエールが話題に上がっていたため、恐らくそのまま1枠決まって、最後まで抜けなかったと思われます。それでも、どのチームも今弾扱ってきた慣れたデッキでもあるので、有力候補に違いないとは思います。
ネクロマンサー
幽庵の墓守のナーフによりパワーが下がってしまいましたが、《恋人》・ミルティオの展開力、死期を視るもの・グレモリーのコスト詐欺等、強い部分は健在。元々の動きの強さ、使いやすさを重視してか、au デトネーションは冥府Nc、GxGは葬送Ncを採用しました。
葬送Ncは先に盤面を押し付けられるため、進化R、AFNmに微有利。上振れが非常に強いので投げやすいデッキとしての側面も健在。
冥府Ncは似たような考えで持ち込んでいそうですが、環境に増えた堕落の決意によって、若干立ち位置悪め。
背徳V
今までヴァンパイアはコントロールV一択でしたが、アディショナルにより新たなアーキタイプが産まれました。基本的には背徳の狂獣のバーンを主体としたアグロVのようですが、新しく追加されたバアルにより、打点を探しながら、まとまった打点が与えられるようになっています。
採用したチームは名古屋OJAベビースターのみでしたが、環境初日に作ったとは思えないほど煮詰まったリストだと感じました。最近のワンダーコックを採用した、背徳の狂獣のバーンをより強く活かしたリストと比べると、アグロムーブに重きを置いています。
ウィッチデッキには有利ですが、その他のミッドレンジデッキ、回復が多いデッキにはいまいち。
コントロールV
こちらは長い間活躍しているコントロールV。レバンガ☆SAPPOROのみ採用しました。本来は堕落の失墜・アザゼル、堕落の決意等、メタカードにより、同速のコントロールデッキにも強い印象がありましたが、代わりに新カード、招来の大天使を採用しています。進化効果は強力ですが、復讐効果、《世界》・ゼルガネイアの効果が発動しづらくなる事から、使い勝手の悪さを感じました。今まで同様ディスカードDに有利。
AFNm
前節までも多くのチームが採用してきましたが、アディショナルにより全チーム採用するほど順当強化されました。
今までのパーツはほぼそのまま。遺物の番人・ルチルにより、ゲームの速度が早くなった事で、今まで採用の多かったラグナアウェイクはほとんどのチームが不採用としました。
今までも議論される事もあった2コストフォロワー枠に、新たに界門のホムンクルスが追加されました。先述の通り早めに試合を終わらせたいため、ヴァーテクスコロニーを9ターン目に確実に出せるようになるのは魅力的。枚数は異なるものの、全チームが採用しています。
前節からメタカードとして活躍していた浄化の輝き・ミュニエですが、進化Rのペインレスサムライ、式神Wのラストワードスペルブースト、ディスカードDのエターナルホエールなど変わらず役割は多めです。
夢の使者・アメスは異形Eが消滅したため、上2体に比べると役割が無くなってしまいました。唯一採用したGxGは扱いやすさを重視していそうです。
AFNm自体は有利不利より、先攻が強いデッキという感じ。式神Wには若干不利寄り。比較的出しやすいデッキかと思われます。
8デッキ使いましたが、界門のホムンクルスが3枚採用されたau デトネーションのリストが使いやすかったです。器用な動きができる浄化の輝き・ミュニエ、夢の使者・アメスも魅力的でしたが、雑にヴァーテクスコロニー4枚目が強かった。一試合単位の活躍だけで見れば界門のホムンクルスが一番でしたが、デッキ選択でのけん制には浄化の輝き・ミュニエ採用が強く働きそうです。
どの持ち込みが正解?
あまりにも調整期間が短すぎる事から、デッキの持ち込みがばらけるかと思われましたが、以外にも進化R、ディスカードD、AFNmの3デッキは確定、さらにウィッチは2種ありましたが確定で持ち込まれていました。
よって差が出たのは式神W or 専門店W、5デッキ目となります。どの持ち込みが強かったのでしょうか。
ウィッチの2デッキはどちらも有利対面が多いものの、式神W vs 専門店Wは専門店W有利なので、専門店Wの持ち込みが良さそうです。ただ安定感で言えば式神Wに分があるので、その差は僅差。
5デッキ目は
AXIZ、NTT-WEST リバレント、福岡ソフトバンクホークスゲーミング、横浜F・マリノスがコントロールE、
au デトネーションが冥府Nc、
GxGが葬送Nc、
名古屋OJAベビースターが背徳V、
レバンガ☆SAPPOROがコントロールVとなっています。
ぱっと見では最近になって注目を集めてきている背徳Vが良さそうですが、現在流行しているリストよりも前寄せで、ウィッチには強いものの、確定3デッキには若干不利なため、BO3と比べると立ち位置は悪め。相手のウィッチはいつでも出せるのに、こちらの背徳Vは出しづらいという状況になってしまうのがきつい。強デッキ一つに強いデッキは、今までのプロリーグでも活躍しづらい印象があります(自然Bに唯一強かったといわれていた自然Ncの立ち位置が悪かった等)。
コントロールVはディスカードD以外に特に有利そうなマッチも無いため、こちらも活躍は厳しそうです。
一番人気はコントロールEでした。先述の通り、リストはAXIZ、NTT-WEST リバレントのリノセウス型が良さそうです。ディスカードDに強いのは勿論、ゲームが長引くほど辛い進化R、AFNmにも貫通できるため、5デッキ目としては十分な活躍をしてくれそうです。
ネクロマンサーに関しては、ナーフがあったにも関わらず、元々有利だった進化R、AFNmが確定枠になった事から意外にも立ち位置は良いです。 特にGxGの葬送Ncは中盤の盤面が強いのと、フィニッシャーを冥府への道に頼っていない事から、かなり扱いやすいデッキになっています。
よって5デッキ目として有力なのは、AXIZ、NTT-WEST リバレントのコントロールE、GxGの葬送Ncとなります。
つまり、専門店Wと葬送Ncを採用した、GxGの持ち込みが最も優れていると考えられます。アディショナルが全く関係の無い2デッキが正解って、なんか面白いですね。
ただGxGの進化Rがかなり前寄せだったり、ディスカードDが日輪のドラゴン少なめだったり、AFNmに夢の使者・アメスが採用されていたりで、新デッキの調整が他チームに比べると環境に合っていないのが残念なところ。デッキの細部まで評価するとAXIZ、NTT-WEST リバレントの持ち込みも良さそうです。
また全チームが採用したディスカードDでしたが、先述の通り立ち位置がかなり悪いため、他デッキに代わる可能性は大いにあり得ます。そうなるとコントロールE、葬送Ncの2積みになるのかもしれません。
繰り返しになりますが、デッキ調整期間が本当に短かったので、メタゲームの進度まで考慮するのは本当に大変だったと思います。なので新しいデッキは諦めて、旧デッキを少しアレンジ、またはそのまま持ち込むチームも多かったです。
短い期間で強いデッキを見つけるのは運ゲーな所もあるので、今節で微妙な持ち込みをしていたから、そのチームの調整力が低いとは到底思えません。視聴者側からすれば、強いデッキが知れて面白いのですが、選手からすればたまったものではないと思うので、このようなスケジュールは今回限りにしてほしいものですね。
またここでは採用チームが無かったので上げませんでしたが、次節は毒々(ラー)Bなども採用されるかも。背徳V同様、デッキの地盤が一切無いデッキだった事から、今節では採用されなかったと考えられます。
まだまだアディショナルが出て間もないので、新たなデッキの登場に期待したいですね。