RAGE Shadowverse Pro League 2018 1st seasonとは
早いもので「RAGE Shadowverse Pro League(以下RSPL)」も発足から5年が経ち、気が付けば名称も「RAGE Shadowverse Pro Tour(以下RSPT)」に改まりました。そして現在、23-24 season に向けて各チームが新ロースターの発表を始めています。
レバンガ☆SAPPORO シャドウバース部門
RSPT 22-23 Roster Announcement
真春 @maharu_sv
Ryu @darkness_mare
Tatsuno @Tatsuno_Saya
Era53 @garbage_er
rikka @karakuri1646
蓮華 @Eri_RENGE https://t.co/7bK0DA9tz7 pic.twitter.com/6EfbvI5hUh
いやそれにしても、あのrikkaがついにプロ選手、、、開幕当初から視聴し続けている私としては、大型新人の参入が発表されるたび「この選手がプロになるなんて、あの頃には夢にも思わなかった」となるわけです。
あの頃というのはですね、
【RAGEプロリーグ始動🔥】
RAGEプロリーグ第一弾「RAGE Shadowverse Pro League」が5月に開幕!
本日より選手選考説明会の応募も開始!
選手資格は18歳以上のシャドウバースプレイヤーであることのみ。
詳細と応募はこちらから→https://t.co/BW1qXL0ixc #eスポーツ #RAGE #シャドバプロリーグ pic.twitter.com/lALJXoCdMZ
RSPL開幕シーズン、2018 1st seasonです。
今回は2018 1st seasonとはどういうシーズンだったのか、RSPTルールに移行した現在の視点などを交えながら語っていこうと思います。つまりは昔話をさせてくださいという事です。90%自己満足。
概要
2018年5月、RAGE Shadowverse Pro Leagueが開幕。au デトネーション、名古屋OJAベビースター、よしもとLibalent、レバンガ☆SAPPOROの4チームが集まりました。レギュラーシーズン優勝の座を巡り全12節に及ぶ熾烈な戦いが繰り広げられました。
2018 1st の特色
2018 1stを語る上では外せない要素を乱雑に書いていきます。
現在のRSPTとの違いをイメージして頂くため、まずはルールから説明させてください。現在のルールと異なる点を見ていきましょう。
対戦形式
記憶に新しいですが、RSPTで個人戦の総当たりルールになるまでは、チーム戦の形が取られていました。個人戦には個人戦の良さがあると思いますが、やはり「チームを応援する」となると過去ルールに軍配が上がりますね。1戦1戦がチームの勝敗に繋がるヒリついた雰囲気、勝利チームがチームメンバーと喜びを分かち合う姿が拝めるのはチーム戦ならではだと思います。
補足ですが、2018 1st から2019 1stまではBO3ルールで構築戦が行われていました。BO3、という点では現在と同じですが、2人が被り無しの2デッキずつを持つ、つまり4クラス分のデッキを用意する必要がありました。環境デッキの数問わずデッキを4つ揃えなくてはいけないので、競技シーンでは使わないデッキにも目を向ける必要がありました。持ち込み方はデッキ相性や選手の好みで決まりましたが、どんなデッキでも使いこなすミル選手のような選手は、全試合起用されるほど重宝されていました。
幻のアンリミテッド
実はRSPLにもアンリミテッドフォーマットが採用されていた時代があったんですね。名古屋OJAベビースターのえすぴー選手のようなアンリミテッド担当選手を配置する戦略も取られましたが、多くのチームは構築選手が兼任する形を取っていました。普段からローテーションをプレイする構築選手にとっては大きな負担だった事は、当時のスケジュールを見れば容易に想像できます。
ご覧の通り、第5節と第6節、第9節と第10節はローテーションとアンリミテッドが連日続く非常に過酷なスケジュールとなっていたんですね。ただでさえ慣れていないフォーマットになるわけですから、満足のいかないプレイになるのもしょうがないですね。
しょうがないですね。
残念ながらアンリミテッドが行われたのは2018 2nd まででした。アンリミテッドが無くなってしまった要因として、以下の事があげられます(ここから長いです)。
結局のところ、今ほどアンリミテッドとローテーションに差異が無かった事に尽きると思われます。アンリミテッドとローテーションが分かれたのは第7弾カードパックである「時空転生(CGS)」からで、RSPLが始まったのはその次の弾である「起源の光、終焉の闇(DBN)」。ローテーションとアンリミテッドに別れてから、まだまだ日が浅かった。
例えばSFL産のギガントキマイラが入った超越Wや、ローテーションでの活躍に乏しかったニュートラルEはまだまだ良い方。DBNのミッドレンジRやBOSの天狐B等はもはやローテーションの上位互換のようなデッキ構成でした。最もアンリミテッドらしいデッキだった旧ケリドウェンを用いたリアニメイトNcも、「蒼空の騎士(BOS)」追加の際にナーフされてしまいます。
無限にPPを回復するAFNm、2、3ターン目から直接召喚が始まるヴァンパイア、4ターン目には8、9コスト相当のフォロワーが並ぶ骸Ncのようなトンデモデッキは無かったのです。
アンリミテッド担当選手は、2018 1stではえすぴー選手、2018 2ndではAXIZのBO-IN選手のみ。残念ながらアンリミテッドで結果を残したのはローテーションでも活躍した選手でしたし、最終的には彼ら自身もローテーションに出場するようになりました。一方2Pickではさに選手の活躍により、各チームに2Pick担当選手が1人ずつ配属されていく訳ですが、アンリミテッドはこれがありませんでした。
つまり、ゲームの内容にしても、出場する選手にしても、当時のアンリミテッドがなんとなくローテーションの延長線上で、上手く差別化出来なかった事が大きな要因だと思います。これに加えて過酷なスケジュールによる構築選手の負担等もろもろを加味しての、アンリミテッド打ち切りだったのだと考えられます。
2Pick(トゥーピック)の申し子、さに
2Pickのお話が出たので、続いては2Pickについて。
RSPL開幕時点では2Pick担当選手は名古屋OJAベビースターのさに選手、よしもとLibarentのkeisuke3選手のみでした。そのkeisuke3選手もShadowverseを始めて間もない事もあり、2Pickを専門としてきたプレイヤーは実質さに選手のみという状態でした。案の定さに選手はシーズン前半勝率トップで駆け抜け、チームの勝利にも大きく貢献しました。彼の真摯な2Pickに対する姿勢やゲーム内容はコメント欄でも絶賛され、2Pickの魅力は多くの視聴者に伝わりました。
これを受けてau デトネーション、レバンガ☆SAPPOROも急遽2Pick選手を用意する事態に。AXIZや横浜F・マリノスのような新規チームも同様に、2Pick担当選手をはじめから採用した状態で参入するようになりました。
結果的にさに選手の活躍は、2Pickの布教や、チームへの貢献に留まらず、他チームの選手構成や、アマチュア2Pickプレイヤーのプロ転向等、RSPLの成長に多大な影響を与えました。
もし、さに選手がRSPLに参入していなかったら?
残る2Pick担当選手はkeisuke3選手のみ。彼のあまりの運の悪さが災いして、2Pickの面白さは視聴者に伝わらないでしょう。レバンガ逆転の立役者である真春選手も、2018 2ndで猛威を奮ったcross7224選手も、2Pickに転向する事は無かったかもしれません。アンリミテッド同様に、そもそも2PickそのものがRSPLから無くなっていたかも、、、
考えればキリが無いですが、さに選手がRSPLに与えた影響はそれだけ大きいものであったと個人的には考えています。
さに選手ご自身が執筆した、eつくの記事も合わせてご覧ください。
ドラマチックなVTRとレバンガの逆転劇
2018 1stの最大の特徴は、試合以外の数々の演出・映像ではないでしょうか。
山口慧さんや女性声優による「控室インタビュー」や、
プロ選手の裏の顔に迫る貴重映像「Shadowverse profile」、
試合前に解説のkuroebiさんがマッチアップの解説をする「kroebi’s EYE」
事実無根のレーダーチャートを載せた「PLAYER STATUS」などなど。
中でも前節の模様をダイジェスト形式で振り返る、「前節のハイライト」は数々の名シーンを産みました。リーグに臨む選手の素顔や選手同士のやり取りを毎節見る事ができたのは、このシーズンならではでした。
Shadowverseのプロリーグが初の試みという事もあり、プロリーグの精神性、チームやプロ選手の魅力を視聴者に伝えるために、多くの時間を割く必要があったのだと思われます。幸いチームは4つしかない上、配信時間も現在とほぼ変わらず7~8時間ほどでしたので十分な時間がありました。
これらの演出とうまく噛み合ったのが、レバンガ☆SAPPOROの逆転劇。裏で練習している様子や、勝利の喜びを分かち合い、徐々にチームの雰囲気が盛り上がっていく様子が配信のたびに取り上げられていました。この逆転劇のおかげで当時レバンガ☆SAPPOROファンになった方も多いと思われますが、チームの様子や毎節の振り返りが放送されていたのもファン獲得に一役買っていたのではないでしょうか。
これらに該当する演出は、時代とともに徐々に減っていきました。新型コロナウィルスの流行により、試合外の収録が難しくなっているのが大きな原因でしょう。チーム数が増えた今、時間の確保や、制作コストなど様々な壁があるのも事実だと思います。
この記事を書くにあたって2018 1stのアーカイブを見返していたのですが、配信自体が面白くて全然作業に身が入りませんでした。
おもしろムービーを作る必要は無いでしょうが、在籍チームや選手の魅力が伝わってくるような配信を続けてほしいと切に願っております。
プレイミス
今と比べてプレイミスが特に多かったですね。当時の視聴者は、プロのプレイを見て勉強するというより、試合を見守るという感覚に近かったと思います。コメント欄もプレイの指摘に溢れていましたね。内容的にはあまり掘り下げたくないのですが、RSPLの歴史の中にはこのような要素もあったというのは残しておきたかった。このシーズン以降次々と加入するRatings勢によって、このような風潮はかなり薄れた気がします(配信のプラットフォームがYoutubeに移行していったのもあるけど)。
以上が近年のRSPL・RSPLと比較した、2018 1stの特徴でした。
チーム、選手情報
RSPL・RSPT公式HPにはチーム、選手の情報が載っているものなのですが、この2018 1stだけはなぜか情報量が少ない。
ここは先人の力をお借りする事にします。
当時の観戦者目線での選手評価は、このお二方のブログを見て頂ければおおむね把握できるかと思われます。なおこちらは第4節までの評価になるので、本ブログではその後の節を踏まえて軽く振り返るのみとします。Shadowverse profileのリンクもあるので、こちらは是非見て頂きたい。
1位 レバンガ☆SAPPORO
開幕から5連敗という苦悩を味わったレバンガ☆SAPPOROでしたが、第6節での名古屋OJAベビースターへの勝利を皮切りに怒涛の7連勝。最下位から1位まで登り詰め、2018 1st season優勝の座を手にしました。
レバンガ☆SAPPORO逆転のカギは、不安定だった2Pick担当を真春選手に絞った事。そして選手同士の情報交換がしっかり行われるようになった事でしょう。Shadowverse profile Tatsuno 編とShadowverse profile さわさき 編では、最初期、如何に選手間の連携が不十分であったか、そしてその後どのようにして苦難を乗り越えたかが良く分かると思います。
シンデレラストーリーとも言えるこの大逆転劇により、多くのレバンガファンが産まれたのもこのシーズン。2018 1stの主人公は間違いなくレバンガ☆SAPPOROでした。
Shadowverse profile きょうま 編 53:10~
RAGE Shadowverse Pro League 第2節 | OPENREC.tv (オープンレック)
Shadowverse profile Tatsuno 編 2:58:00~
RAGE Shadowverse Pro League 第6節 | OPENREC.tv (オープンレック)
Shadowverse profile 真春 編 6:29:45~
RAGE Shadowverse Pro League 第8節 | OPENREC.tv (オープンレック)
Shadowverse profile さわさき 編 3:44:35~
RAGE Shadowverse Pro League 第12節 | OPENREC.tv (オープンレック)
2位 名古屋OJAベビースター
さに選手の活躍もあり、シーズン前半は常に上位を維持していました。しかし他チームの2Pick選手が成長するにつれ、さに選手の戦績は徐々に停滞していきます。第9節から最終節にかけた4連敗により、名古屋OJAベビースターは首位から陥落してしまいました。その勢いでシーズンファイナルも敗北。
当時は「さに選手が負けた試合は、チームも負ける」と言われるほど、名古屋OJAベビースターの戦績は彼の勝敗に依存していました。最終順位は2位とまずまずな結果でしたが、チームからすれば後味の悪い終わり方だったと思います。これを受けて名古屋OJAベビースターは構築選手の改革に乗り出し、新選手の加入を計画するのは来シーズンの話。
Shadowverse profile あるじ 編 3:34:50~
RAGE Shadowverse Pro League 第2節 | OPENREC.tv (オープンレック)
Shadowverse profile さに 編 6:07:40~
RAGE Shadowverse Pro League 第5節 | OPENREC.tv (オープンレック)
Shadowverse profile SOS 編 3:21:20~
RAGE Shadowverse Pro League 第11節 | OPENREC.tv (オープンレック)
Shadowverse profile えすぴー 編 3:50:10~
RAGE Shadowverse Pro League 第12節 | OPENREC.tv (オープンレック)
3位 au デトネーション
Enju選手、Shinkey選手の成績不振が目立ちましたが、2018 1st最強選手のミル選手と、いち早く2Pickに順応したcross7224選手の活躍により、最下位は免れました。
実は最終節終了時点での名古屋OJAベビースターとの勝ち数は同率6点でした。わずかな試合勝利数の差でシーズンファイナル進出を逃してしまったのです。こうなるとあと1試合勝ってれば、あのミスさえ無ければと悔やんでしまうもの。
ミル選手自身の手で2位通過を決め、ミルワンマンチーム優勝の世界戦もあったわけ。
リーグで唯一勝ち星のなかったShinkey選手は2018 1stをもって契約終了に。代わりにRatings常連のあのプレイヤーが加入する事になります。
Shadowverse profile Enju 編 4:00:00~
RAGE Shadowverse Pro League 第12節 | OPENREC.tv (オープンレック)
Shadowverse profile Shinkey 編 6:43:50~
RAGE Shadowverse Pro League 第11節 | OPENREC.tv (オープンレック)
Shadowverse profile ミル 編 3:07:25~
RAGE Shadowverse Pro League 第6節 | OPENREC.tv (オープンレック)
Shadowverse profile cross7224 編 48:00~
RAGE Shadowverse Pro League 第2節 | OPENREC.tv (オープンレック)
4位 よしもとLibarent
よしもとLibarentは全チームで最も安定感のあったプレイをし続けていたチームだったと思います。中でもけんぴ選手は、最終節でミル選手が追い上げるまでリーグトップの戦績を誇っていました。惜しむらくは、ふぇぐ選手やkeisuke3選手の運が悪すぎた事。今後のシーズンでも彼らは運の悪さに苦しめられる事になります。
ふぇぐ選手を中心に明るい雰囲気のあるチームで、「火曜日のLibarent」と題して、ファン交流のイベントや配信を行うなど、「元祖お祭りチーム」のような立ち位置でした。
Shadowverse profile Surre 編 2:53:45~
RAGE Shadowverse Pro League 第6節 | OPENREC.tv (オープンレック)
Shadowverse profile ふぇぐ 編 6:39:30~
RAGE Shadowverse Pro League 第11節 | OPENREC.tv (オープンレック)
Shadowverse profile keisuke3 編 3:30:00~
RAGE Shadowverse Pro League 第2節 | OPENREC.tv (オープンレック)
Shadowverse profile けんぴ 編 3:54:30~
RAGE Shadowverse Pro League 第12節 | OPENREC.tv (オープンレック)
小ネタ
このブログの締め方?を見失ってしまったので、後は適当にスクショでも貼って終わりにしようかと思います。思い出のアルバム。
こんなものですかね。老人の妄言のような内容になってしまいましたが、最後までご覧頂きありがとうございました。
過去のRSPL、今見ると結構面白いですよ。昔のカード、デッキで懐かしめたり、意外なお宝映像が見つかったり、、、おすすめです。
でも貴重なゴールデンウィークを潰すのはダメです。
RSPL 2nd以降に関しては書くかは分からないです。