RAGE Shadowverse Pro League 観戦レポート

RAGE Shadowverse Pro League 観戦オタクです

シャドバプロリーグの新ルール 2Pickの比重大きすぎ問題

プロリーグオタクやってる生ビールと申します。

 

自分はプロリーグを見る際、必ず某配信者様の観戦枠を観るのですが、第5節の配信でこのような趣旨のコメントを見かけました。

 

「勝利したチームの17/20が2Pickも勝っている」

 

 

つまり2Pickで勝利したチームがほとんどの場合試合にも勝っているわけです

自分は言われるまでは気づかなかったのですが、振り返ってみるとそんな気がする…というか2Pick戦は最初にやるんだから、初戦でもう勝敗が決まってしまうのは毎週最後までハラハラドキドキで視聴していた自分からすれば非常に困る!

 

というわけで、いつもはRSPLのレポートと題して、試合をまとめたり、感想を書いたりしている自分ですが、今回は2Pickで勝利数とチーム勝利数の関係について調べてみました。

また新ルールが抱える問題にも触れるつもりです。

 

 

 

 

※注意

  • 誤解を招きそうなので先に。決してプロリーグそのものを批判をしたいわけではありません!実際今のルールもめっちゃ好きだし、贔屓はしているものの、基本全チーム応援しているプロリーグ大好き人間が書いています。それでも安心できない方、時間がない方は先にまとめを見ていただきたいです。あくまでもう少し改善してほしいと思ってる程度なんです。
  • ある結論に結び付けるために本文では都合の悪いことは無視 or 改変しているところもあります。これに関しても後に補足したりします。
  • 敬称略
  • 文章ぐちゃぐちゃ
  • クラスはE、R、W、D、Nc、V、B、Nm表記。カードも略称を多用しています(ディスティニーウィングナイト→DWKなど)。
  • この記事は第5節時点での戦績を元に書いています。

 

 

 

1. 2Pickの勝利貢献度

 

まずは、実際に2Pickで勝った試合がどれくらいチームで勝っているか調べてみます。

 

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まじで見づらくて申し訳ございません


表は各チームの2Pick担当選手の勝敗で、チームの勝敗になります。

 

そして赤文字は「2Pick担当の選手は負けたがチームは勝った」箇所になります。つまり、全試合の勝利の中で、この勝ち方をした試合は「3/20」になります。逆に言えば先程のコメントのように勝利したチームの「17/20」が2Pickも勝っている事になるわけですね。

 

この割合を2Pickの勝利貢献度として「85%」と表しましょう。

85%は流石に偏っているように見えますね。比較するために過去シーズンの勝敗も調べます。まずは昨シーズン、19-20 1stです。

 

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御覧の通り、今シーズンよりは断然赤文字が多いですね。AXIZ、DNGの構築組の大活躍があったのでこれはこれで極端な例かも。「12/21」で、2Pickの勝利貢献度は「57%」になります。続いて2018。

 

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2018 1stが「19/24」で、2Pickの勝利貢献度は「79%」、2018 2ndが「24/30」で、2Pickの勝利貢献度は「80%」です。

 

昨シーズンまではBO3が2戦のみ行われていたので、実力、相性差が同じ、もしくは双方確実に1マッチずつ取れる状況なら、そもそも2Pickの貢献度が上がるのは当然と言えます(構築組は4デッキの中からTier1のデッキ2つとTier2のデッキ2つを持っていく事が多かったので、このような相性がイーブンな状況は起こりやすかったのです)。

しかし現在のルールは構築組の3人が戦う事になります。一見今のルールの方が2Pickの比重は小さいように感じますが、これについては後ほど。

 

比較するにはまだまだデータが足りないかもしれませんが、少なくとも現在の傾向で言えば今シーズンは2Pickの勝敗は非常に重要になってきています。

 

 

 

2. 2Pick担当の戦績

ということは2Pickの実力が高い選手を持つチームが強いことになります。しかし、皆さん思った事ありませんか?

 

2Pickerみんな上手くね?

 

個人的には構築勢の実力より2Pick担当の実力は正直横並びに見えてしまいます。負け込んでいる人も、デッキ提示が弱いだけじゃない?とも思ってしまいます。ということで次は2Pickの戦績についてまとめてみます。

 

まずは2Pick担当のプロリーグ全体の戦績です。

 

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低い選手は40%をきりはしますが、おおかた総合的な勝率は40~60%で極端に負けこんでいる選手はいないのではないかなと感じます。

でも直近のRobやkeisuke3極端な負けが結構多い気がする・・・

そこで今度は実際に使ったリーダーや、手札の良し悪しを各試合調べます。

 

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めちゃくちゃな表ですみません。どう比較すればいいか分かりませんでした。

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リーダー差による有利不利を点数化したもの


表のマッチ有利度は対面によって7段階評価しました。

また、手札の有利度は対面と比較して良いか悪いか判断します。マナのくっつきの良さやハンドの量から5段階評価しました。

この点数自体は独断と偏見により、勝手につけたものですが、相対的な評価はできそうです。

 

この表から少なくとも負け込んでいる選手は往々にして下振れていると判断出来るのではないでしょうか。特にRobはマナパス、keisuke3はデッキ提示に恵まれていない印象がありました。

 

この事から多少のプレイングの差はあれど、概ね2Pickの選手の実力は差はあまり無いと言えるのではないでしょうか。

 

って、事は2Pickで事故が無かった方がチームが勝つって事!?

 

補足

リーダー相性差は本来Shadowverse Log等から勝率を参考にするべきなのですが、そのShadowverse Logの2Pickページが2017/11で更新が止まっており(Nmがいない時代)全く使い物になりません。また今シーズンの数少ない2Pick戦のデータから算出した勝率はあまりにも偏っているため、これも参考にできません。これらの事から上のような極端な相性表がうまれました。

 

追記(11/18)

第7節見て、やっぱりPickerも実力差相性差あると改めて実感したのでちゃんと調べます。後日修正するかもしれません。

 

 

 

 

3. なぜ2Pickの勝利貢献度は上がったか

 

ではなぜ2Pickの比重はこれほどに大きくなってきているのか。それは今シーズンから追加された新ルールが原因であると考えれます。理由としては、

 

 ①    1勝のアドバンテージがあれば、構築戦のデッキを有利に選択できるから

     昨シーズンまでに比べて、構築戦の数が減っているから

 

と自分は考えています。

 

①の理由は観戦している方は分かると思いますが、先に1勝分あると、相手の必ず勝ちたい心理から出てくる強デッキに、有利マッチを仕掛ける事ができます。

また、延長戦を含めた後半2戦でも1勝のアドがあれば、先に弱いデッキを出しておいて、次の対戦絶対に勝てるマッチにするという戦略も立てやすいのです。デッキ読みをしやすくなれば勝率が上がるのも納得です。

 

②はどうでしょう。新ルールになって構築戦を3人で戦う事になり、昨シーズンから構築戦の数は増えているように感じますが、実際はBO1×4であるため、最長でも4試合

しかしBO3×2では最短でも4試合、最長で6試合する事になります。人は増えているものの試合数は減っていますね。使うデッキの数も実質変わりません

使うデッキは変わらず、試合が増えるという事は、相性差だけではなく、実力の差によって決まる試合が増えるのです。OOTのミッドレンジR、自傷V、STRのミッドレンジR、聖獅子BのBO3のミラーマッチってすごい実力出てませんでしたか?全勝していたミッドレンジR、聖獅子BRumoiとか。

 

 

 

ここで例として、あるチーム2つを戦わせてみましょう。一方は実力のいチーム、もう一方はいチームです。初戦の2Pickが勝った場合、従来のBO3ルールと、現在のBO1ルールと双方どのような試合展開になるのでしょうか。

 

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従来のBO3

2組ともミラーマッチになります。各対戦で両者有利デッキがそれぞれ抜け、3戦目にてB、Cデッキによるミラーが発生しました。実力の選手が持ち前のプレイングでミラーマッチを2戦とも制しました!勝利したのは実力2Pickを落としたものの逆転勝利を収めました。

 

現在のBO1

2Pickで1戦抜かれてしまった実力は何としても勝ちたい!相手のB、C、Dの2デッキに有利なBを出しますが、実力はそれを読みAを選択実力の選手がもう1勝とります実力はその後2戦有利マッチで勝つ事が出来ましたが、これは相手が最後に有利マッチを取るための作戦。最後に確実に有利マッチを制した実力の勝利!

 

今まで見て頂ければ分かる通り、実力の出やすいミラーマッチを踏みやすいのがBO3の2戦になります。

対して現在のルールではミラーマッチが起こらず、相性のみで勝敗が決まる事が多いです。そしてやはりここでも1勝のアドバンテージの余裕から相手のデッキが読みやすくなっているのが分かります。

 

2Pickで負けた側は実力があっても勝てるか分からないマッチを3戦勝利しなくてはいけません。しかし2Pickで勝った側は後1戦でも相性勝ちできれば延長戦。さらにその延長戦はやり方次第では有利マッチを作る事が出来るのです。

 

補足

説明の便宜上、デッキの投げ順はあまり考慮しませんでした。BO1の側では本来は投げ順の上手いチームが有利にゲームを進めますが、如何せんその戦略は視聴者である我々には全く分からないので、一先ず考慮しなくても良いと判断しました。BO3の側では弱いデッキB、Cを先に投げるのは悪手ですが、BO1側で本稿で伝えたい実力の出づらさを強調したいが故にミラーマッチを意図的に避けているため、BO3側もこれに合わせた形になりました。

 

 

また、以下の理由でBO3の方がBO1より一人一人の実力が出やすいです。実力の異なる選手AとBを例にBO1、BO3を戦わせます。

 

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BO3では2つのデッキを用いるので相性差でパーセンテージは大きく変わりますが、長期的にみればこの式は当てはまると思います。

この事から、僅かではありますが、BO3のほうが実力が出ると考えられます。

  

以上の①、②の理由から構築戦の戦績に実力が反映されづらくなっていると捉える事もできます。

という事は今まで構築陣の実力によって勝敗が決まっていたのが、より2Pickによって勝敗が決まりやすくなるといえるでしょう。

 

4. 対策

2Pickで最初に勝ったチームが勝利するこの現状は流石に見ていて納得いきません。なにか打開案を探さねば。

 

・構築BO3の復活

根本の原因であるルールを変える。そもそも競技プレイヤーの方々の多くはやはりレベルの高いBO3が見たいのではないでしょうか。しかし今シーズンからこの変更は厳しそう。

 

・2Pickは初戦ではなく中盤に行う

中盤に行えば、先程の初戦アドバンテージが無くなるので相性問題は多少は緩和されそうです。観ている側も、初戦でチームの勝敗が透けるよりはこちらの方が健全な気がします。ただ最初のデッキの出し合いが本当にじゃんけんになってしまうのは気になるところ。

 

・2PickのBO3戦

2Pickでも実力がさらに出やすくすればいいという事です。幸いにも11/25(月)のアップデートで、公式で2PickでのBO3ができるようになるらしいので、是非取り入れて頂きたい。放送時間は少しかかるかも。

 

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記事執筆中にこのアップデート情報が入ってきたのでビックリ



 

 

5. まとめ・感想

長く書いてきましたが、

 

  • 2Pick勝てるチームは試合でも勝ってる
  • その2Pick選手はそこまで実力差があるわけではない(要検証)
  • 1戦のアドバンテージがその後の構築戦の有利マッチを生む
  • 実力差の出るBO3ミラーが無い

 

がこの記事で書きたかったことです。

 

 

今まで散々、現在のルールに文句を言ってきたわけですが、正直自分はこのルール結構好きです。

好きなタイミングでデッキを投げれるから、読みあいが発生して面白いし、その読み合いが上手いチームが勝つのはそれも実力の内です。環境も以前のBO3ルールより回転が早くいろんなデッキが活躍できていますよね。デッキ相性もカードゲームなので絶対では無いし、不利側がスーパープレイで捲る試合もめちゃ熱くないですか?

実力がもっと反映されてほしいという思いもありますが、このルールをまだ楽しみたい気持ちもあります。

選手たちには2Pick勝利チーム有利におびえず、戦ってほしいです。

 

 

 

 

変なところあったら連絡ください。